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「自分づくり」の法則 他人に“心”を支配させるな

加藤 諦三 (著)

抑圧の強い人。
自分は不安だけど、不安を認めない人。
自分は臆病だけど、臆病であることを認めない人。
そしてこのように抑圧の強い人程「立派なことを言う」そしてそれは人を苦しめる結果となる。教養、道徳、~すべき、愛情、良心。そのような美しい言葉によって子供を痛めつける。

こんな歪んだ不幸は身近にもあるだろうし、自身にも心当たりがあったりしないだろうか。そしてそのような家庭環境で育ってしまうと、精神的な死を体験することになる。そしてその体験を持って本書は書かれたという。


若干この本のタイトルはへたくそだと思う。
本当はもっと崇高なことが書かれてあり、万民向けであるとも思うから。


■ココロの暖かい、ココロの冷たい
冷酷という言葉の真意をこの本で始めて知ったような気がする。映画やテレビそして冷酷な発言や行動を伴う知人等を介して知っていたような「冷酷」ではなく、自分の中に存在している無意識、それも善良だと信じていた心から発せられている冷酷の姿。一瞬恐ろしくも思えたこの感覚には、まだ救いがありそうだ。
それを自我をもつこと、すなわち自己発見の大切さを説かれている。
自我を確立することが、こころを暖かくし人間的魅力につながる。そしてそれを超えてやがておとなになる。

■実体験と数十年に及ぶココロの葛藤からの意見
この本は、やはり作者の苦しみぬいた果ての優しさを感じる。その自我形成の過程で様々な発見があり、その体験や性質は今の時代もそれに苦しんでいる人も多いことだと思う。

■受け入れるという真意
この「抑圧された」という状態は一般の人にも普通に見れらよう。そして、それを認めず抑圧してしまうのである。だから不安とか臆病、恐怖、強欲、冷酷を認めることが自我の確立に繋がるもっともシンプルな方法だと。その先に暖かくなる自分を発見することになると。
また「親離れ」が安心をもたらす。これは自分を受け入れるという自立的な意識と重なると思われる。

■育った環境を観察する
まずどのような親の元で育ったか、そしてどのような人間関係を送ってきたか。自分は人の不幸を望んでいないか。そして親にどのような要求をされながら育ったのか。その親の要求(=理想)矛盾した2重の束縛を生むことがある。つまり正論的にどちらも正しいのだが、どちらにころんでも自分は怒られてしまう。そのような例は本書に譲るとして、人が現代社会において子供を育てる中で今と将来とを掛け合わせて子供のためを願うキモチが、今の子供に無理を虐げてしまうことに繋がる。
そこから人は「精神的死」を体験しトラウマとなり、遠い未来となった今に発現する。

人と異なった家庭、立派さを求められる家庭、強制がまかりとおっていた家庭、、まじめな家庭、こういった家庭で育つと先に述べた抑圧された感情が高まりやすくなる。

しかしこれらは、将来改善できるものであり、今こういった指摘に出会うことは人によってはラッキーなことかもしれない。

■犠牲者としてのおとな
親の要求は義務ではない。親は自身の経験等から、立派さやまじめさ、そして将来の進路、果ては道徳まであなたに要求してきたかもしれない。それは教育であったり、しつけであったりなんでもいい。しかし、それは義務ではないことに気付く必要がある。それが義務ではないと知ったときから自我が目覚める。
もともと自分に無いものを要求されるところから始まる。それを取得すべく必死にがんばったりするのである。しかし幸福者は「無い」ものにこだわらない。「足るを知る」にも通じるのであろうか。こうすべきだと信じてきたことが親の要求から派生した義務を化していたならば、あなたは犠牲者かもしれない。しかしそこで恨んだりする必要はない。そのことに気付いて解放され、そして自我が成長することにおいて、やがて親よりもおとなになるかもしれない。そんなことになれば、世の中のそういった俯瞰的状況を見渡す心のゆとりもできる。

■自分を誇りすぎるな
あまり自意識過剰にでる心理もこの抑圧された感情に近いそうだ。そして自分の仕事や成果を誇らしげに公表するのも本物ではない可能性が高い。
本当にやりとげた自分の成果は、人はあまり語ることなく自分の中に暖める。それが、豊という感覚なのだろうか。つまりは不安が無いのである。
自意識過剰や過剰に成果を表現する裏には、不安を封じ込める作戦がある。だから人からみるとそれは偽者だと感ずかれてしまうことになる。

そして一種の自我形成のバロメータは忍耐力かもしれない。
忍耐力はとてもつらいものかもしれないが、つらくて仕方が無いのか、そうでなくなるのかは、この自我形成の段階によって個人差があるように思う。自我が形成されてくるにしたがって忍耐力も自然と強くなる。
忍耐力とは集中力にも繋がる。したがって、それは行動力や人間的魅力と重なり合って、「成功」を手に入れやすくなることとなる。

■だから最初の第一歩をとりあえず踏み出せ
まず嫌いなものを一層し、努力して何事も好きになる。
まず自信を持つ。あらゆる角度から自分を観察して少しでも自信にプラスになる情報を集め自信を維持する。
相手の弱点をどこまで許せるか。どこまで信頼できるのか。
そして、本心をごまかす事をやめる。

耳の痛いことばかりだけど、こういったことに自分にも心当たりがあると気になる人はそういったことを意識するだけでも進歩だと思う。こういう立派なことを書いている自分にもガチで当てはまっているのではないだろうかと、いささか不安にもなるけど、いや、当てはまっているというか、素直に共感できた。

結局、病んでいる根源を見つけることは、誰にとってもプラスになると思う。


■■■ この本のセルフクエスト(自己探求)における視点 ■■■
この書籍からは、やはり育った環境の再チェックと、自分をいかに自信づけるのかがポイントだと思う。

自信過剰になることなく、本物の自信とはどういうものか。これは誰でも一度は体験していることだと思うが、そういった不安の無い自我を形成する情報あつめとして、セルフクエストは有効に機能すると思われる。

自分を認めることなく、抑圧してきた事項をあぶり出し。
それを認める。そしてそれを認めたところで自分に不安が降りかかるようなことは無いと。反対に解放的な自我を体現することになると。
そしてその自我形成こそが、自分発見、セルフクエストそのものであり、自信から人間的魅力や成功といったものへの最短かつ条件であるということが理解できると思う。

この抑圧された冷酷感を発見するには勇気がいるが、例えばパソコンを中心とした作業の多い仕事の人は要チェックだ。正しいことで人を攻めつづけてはいけない。優しさが凶器にもなり、冷徹さはやがて自分にも返ってくるかもしれない。

Posted by syn at 2005年02月18日 00:17


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