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■ 聖なる予言

ジェームズ レッドフィールド (著), 山川 紘矢 山川 亜希子 (翻訳)
聖なる予言をとりあげるのは、結構勇気のいることだとか思った。ただロハスというテーマでライフスタイルを作る上で、スピリチュアルな事柄にも多少の傾向が必要であることは世界的概念から言っても通常的であり、特に何かに傾向していると非難されるべきことではない。
実際的な自己啓発や自己探求、セルフマネジメントを試みてきた或いは、試みたいと思われる人にとってスピリチュアルは一種の占いや魔法じみた感覚として受け取られる傾向もあるが、聖なる予言は、預言書ではない。ひとつの生きかたの知恵として受け入れられるとよろしいかと思う。
実際この本は世界的にベストセラーとして成功した。それは一般の人に受け入れられやすい内容に仕上がっているからだと思う。神秘的だが宗教的ではなく、狭義的でなく物語風に書かれてあるから、とても親しみやすいと思われる。
■主人公とともに成長する
実際の内容は、作者の悟ったと思われる事項を系統立てて順序よく理解する演出として、ペルーを旅し、そこで繰り広げられる不思議な出会いや出来事をストーリーとして展開される。説明的に「教え」られるのではなく、一人の男がひとつひとつの出来事に関してその「本質」はどこにあるのかという思考方法を実例的に描かれている。おそらく読者は、自分の経験になぞらえて、それと同じような思考方法を真似ることで、自己探求ができるようになる。
つまり主人公は、様々な出来事と体験を持って成長していくわけだけど、読者にも頭のなかで同じ体験をしてもらい、主人公とシンクロして成長していくようになっていると思う。
■人間関係に伴うエネルギーの扱い
この本の本質的な部分は、ひとつの「エネルギー」の使いかただと思う。「エネルギー」と表現されている「気」であったり「感情」であったりそうお互いの関係において交流させられる「気」のめぐりの使いかた。それを誤るとどうなるのか、そして正しく使うとどのようになるのか。
例えば、人が「優越感」を得るとき無意識にスポイルしている相手の「気」が自分にとってマイナスエネルギーになる。エネルギーを与えて相手の「気」が増幅したとき自分の「気」も増幅する様。
そうこれらのエネルギーの交換は、通常無意識に日常的にとりおこなわれている。それを意識的に行う知恵がつけば、人間関係においても、社会との関係におていも自分にプラスエネルギーをもたらす可能性を大きくする。
そんなエネルギーを意識する新しい感覚を自分が持てば、競争することなく勝てるし、共生とかエコロジーといったものが自然と必然であるということに気が付く。また相互依存という言葉の本質的な部分にも発見が芽生えるかもしれない。あらゆる関係性において、自分が他者から無意識にエネルギーをスポイルする事がないように注意できるようになるきっかけを生み出してほしい。
■コントロールドラマ
もうひとつはコントロールドラマ。よく自己啓発な世界では「想いは実現する」とか想像力の実現性についての教えを読む機会が少なくないと思う。その思い想像する意識が無意識のうちにコントロールしている自分が存在するという部分である。これは生活環境や、潜在的性格傾向によって、ある程度自分を無意識にコントロールしている意識のことを述べられている。
つまり無意識に思っている自分が実現していっているということである。
オープンマインドの本質的な意味や、直感、自己探求の精査によってそのコントロールを克服するにはといったくだりは、かなりドラマティックで面白い。
そしてその主人公の心の葛藤を克服していく様を自分の生活に当てはめて考える事で、現代的なスピリチュアル感覚によるセラピーになる可能性があると思う。
潜在的に存在するコントロールドラマを発見し、無意識の自分自身を発見する。そして関係性におけるエネルギーの使いかたを意識的に行えるようになるとプラスエネルギーの流入によって自己を成長させる。自分が大きくなれる。
この感覚は心理学やカウンセリングの世界で有名な理論である「EQ、心の知能指数」という感情の制御する技術にも似ている。様々な思い込みや、他者への攻撃心、疎外感、自己喪失などを克服し、関係性を向上させるための感情操作のテクニックであるEQとも共感する部分があると思われる。スピリチュアルに抵抗感のある人は、こういった心理学的側面として受け入れるといいかもしれない。
■目に見えない力の存在をどのように受け入れられるか
スピリチュアルの一番大きな壁は、目に見えない非科学的な存在の受け入れかただ。それは「神」と表現するかもしれないし、「エネルギー」や「気」と表現するかもしれない。「潜在意識」や「宇宙」「阿頼耶識」と様々な表現が交錯するが、少しの間、目をつぶって「今その場にいる自分を包み込む光」を想像してみて欲しい。
単純にどんどん光輝いていく自分を想像して欲しい。その光がそれらの表現しているものと同一のものだ。と言い切るのは強引かもしれないが、それがどこか自分と別のところにあるとか、他者の存在であるという分裂的な感覚ではないということだけは言い当てられていると思う。そこから自分自身がどのように受け入れるのかは、各個人の意識によって十人十色であると思われる。
受け入れかたをうまくコントロールし、狂信することなく、また無視することなく知恵として活用されれば良いと思う。
■■■ この本のセルフクエスト(自己探求)における視点 ■■■
何事もそうであるが、このような本を読んで一種の知恵のようなものを知識として受け入れた満足感だけが残り、実生活に反映されないで眠ってしまうという経験は誰でも多いと思う。
特にこのようなスピリチュアル系に慣れてない方々は特にそれを受け入れることが不得手である可能性が強く、非現実的としてかたずけられてしまうかもしれない。
しかし、一定の時間を割いて読みきったこの本から得られるセルフクエストのポイントは、幼少記の記憶の掘り下げと、対人関係におけるアプローチ方法の意識的変更にあると思う。
■自分の本質的記憶を探るポイント
もっともインパクトある記憶探求のくだりは、「なぜあなたは今の両親を選んで生まれてきたのか?」という質問だ。
この質問が発せられる前提としては、生まれてくる前に、自分はいろいろな人間、国、生活環境、生活レベル、そして将来的な可能性の有無を検討して、自分に妥当だと思われる人(母)を選んでその母体に帰依してきたことになる。
これをバカバカしいと見過ごす前に、偶然にもこの質問があなたと出会った意味を少しばかり考えたい。バカバカしくても、勝手な想像でもなんでもいい、一時考えてみたい。つまり今の両親のもとが一番自分にとって都合がよかったかもしれないのだ。
家庭の経済的不満や、両親の不仲、地域社会との関わり、そして今に至る過程において出会った人々や環境。それらは意図して自分で選択してきたかもしれないとした場合のその自分の本来の「意図」とは何か?
そんなことを本書のコントロールドラマや、エネルギーの意識的操作を交えて思い巡らすのが、実際に楽しいと思う。
本書が物語り風に演出されているのを見習い、自分の中でも、ストーリー的に解釈できるような「考えかた」の癖をつけることが出来ると、セルフクエストの質も上昇すると思われる。
是非、ドラマティックなセルフクエストを堪能してほしい。
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TBありがとうございました。
「聖なる予言」は続編も含めて読みました。
あまり指南書やスピリチュアルをメインに押し出した本は好みませんが、小説として書かれていたので読みやすかったことを憶えています。自分の存在する意義を考える機会を与えてくれたいい本だと思います。
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